笑顔が集まる大自然のペンション

十一ヶ寺はお寺の団地?

 そうです。浄土宗のお寺が十一軒ずらりと並んでいます。東京都練馬区練馬四丁目の豊島園のそばにある寺町のことです。

 田島山十一ケ寺は多難な歴史をたどりました。元は浄土宗誓願寺の塔頭寺院でしたが、その誓願寺は北条氏から与えられた小田原に地に造営され、北条氏が滅びた後徳川家康により江戸に招かれ神田に移りました。このころ、誓願寺の塔頭として現在の十一ヶ寺を構成する寺も続々と開山したのです。

明暦の大火(いわゆる振袖火事)により全焼し、今度は浅草の田島町に移転、明治期には廃仏毀釈により本坊が存続の危機に直面しました。
 そして1923年、関東大震災で被災し、またしても移転を余儀なくされたのです。
震災後、本寺の誓願寺は現在の府中市の多磨霊園の正門近くへ、一方塔頭のうち十一寺が練馬に移転しました。移転前の地、浅草田島町の地名から、田島山十一ヶ寺と呼ばれるようになったのです。

 以後現在までは「練馬十一ヶ寺」として平和な時を過ごしています。

参道入り口
参道入り口

広い参道を挟んで左に仁寿院、迎接院、本性院、得生院、九品院、右に快楽院、宗周院、仮宿院、受用院、称名院、林宗院、の十一軒の寺が並んでいます。
 

参道の一番奥にある林宗院山門付近から参道入り口(豊島園通)方面への眺め
参道の一番奥にある林宗院山門付近から参道入り口(豊島園通)方面への眺め

 付近は豊島園に近い住宅地ですが、通りから一歩参道に入ると、静かなたたずまいの寺がずらりと並んでいます。都会の喧騒から離れることができる落ち着いた雰囲気をかもし出しています。
 参道の先にある墓苑には江戸時代からの学者、芸術家、政治家など歴史上の人物の墓所が沢山あります。

林宗院の山門
林宗院の山門

 十一ヶ寺の他のお寺の山門は大きくて立派な門も有りますが、林宗院の山門はちょっと寂しい感じがあります。でも林宗院の檀家さんたちの誰もが大好きだと云ってくれます。先代住職が石材店と納得が行くまでじっくり相談して建築したもので数寄屋風の趣がステキです。